中森明菜

往年のアイドルと言えば主流は清純派。いわゆるリカちゃん人形的な明るく可愛いキャラが定番だが、いつの時代もアンチな存在は求められる。山口百恵しかり。中森明菜もそういう意味ではデビュー当時から主流とは一線を画した存在だった。『スター誕生』への出場をキッカケに、82年「スローモーション」でデビュー。2ndシングルの「少女A」で不良っぽさや陰りのあるアイドルとしてのイメージが定着し、以降、「セカンド・ラブ」「禁区」「飾りじゃないのよ涙は」と連続ヒットを飛ばしていく。そして、スパニッシュ・テイストの「ミ・アモーレ」(85年)、着物をアレンジした奇抜な衣装も印象的だった「DESIRE」(86年)で2年連続日本レコード大賞を受賞。――その勢いはとどまるところを知らないように見えた。が、途中、恋愛沙汰でつまづき一気にスローダウンしてしまう。しかし、92年の主演ドラマ『素顔のままで』が好評を博し、その後も98年の『冷たい月』に出演するなど、新境地を拓きつつ復活。00年には『21世紀への旅立ち』と題した2年ぶりの全国ツアーを行うなど、現在も根強いファンに支えられ活動を続けている。